沖縄文化体験
沖縄料理といえば、何のグルメを思い浮かべるでしょうか?沖縄そばやゴーヤチャンプルー、あぐー豚、タコライス・・・等、それぞれですよね。沖縄料理は全国的にも人気でお店も全国各地でオープンしているので、普段でも食べることが出来る機会も増えてきたのではないでしょうか。沖縄料理は基本的に薄い味付けなので、日本人にとても親しみがありますよね。一度は沖縄料理を食べたことがあるという方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は、沖縄料理といえばこれ!という人気の料理をご紹介します。食べたことあるという方や食べてみたいという方にもおすすめな定番料理ばかりなので、読んでいるとお腹が減ってしまうかもしれませんよ。
美しい透明度が高いエメラルドグリーンの海と大自然に囲まれた沖縄は、おいしい料理がたくさんあります。幅広い料理が定番料理になったのも沖縄の歴史に関係します。料理の前にまずは沖縄の歴史について少しご説明します。
沖縄の歴史
日本とアジア諸国の間に位置する沖縄は、小さな島国でありながら昔、琉球という一つの国でした。そして、日本のみならず、近隣諸国である中国、東南アジア、アメリカの影響を受けてきました。琉球の開闢(かいびゃく)神話には、沖縄は神が降り立った島々として言い伝えられています。そんな神秘的な島である沖縄で第二次世界大戦の激戦地となりました。この戦争によって、沖縄はアメリカ軍政下に置かれましたが、1972年に沖縄は日本に返還されています。現在も沖縄には日本全体の約75%の米軍専用施設が残っていて、様々な問題が残されています。そんな中、沖縄は独自の文化や歴史を築き、各国の文化も取り入れながら歩んでいます。
歴史の授業で習う沖縄の歴史でありながら現在も様々な問題になっているので、ニュースで取り上げられる日も多いですよね。改めて沖縄の歴史をお伝えすることで、「沖縄は海外に来た気分を味わえるから好きー!」という気持ちだけではなく、深く知ることが沖縄を理解したことになって、より一層、沖縄料理や素晴らしい大自然を楽しむことが出来るのではないでしょうか。
沖縄の歴史を少し学んだところで、ふと「沖縄料理って豚肉がよく使われている?」と思っている方も多いのではないでしょうか。そうなんです!沖縄料理は豚肉が使われることが多く、それには理由があるんです。次は全国でも人気な沖縄料理の歴史についてご紹介します。
沖縄で豚肉をよく食べるのはなぜなの?
代表的な沖縄料理といえば、ほとんど豚肉が使われています。今では、豚肉なしでは沖縄料理がなくなるのではないかと思うほどですが、沖縄の文化では、元々豚肉がメインの食材ではありませんでした。琉球時代の琉球料理の代表的な食材は豚肉ではなく、最上級の食材は牛肉だったんです。牛肉は食用のみではなく、田畑を耕す農耕用として使われていました。それは沖縄だけではなく、全国的にも同じと言えます。江戸時代に構造改革が行われてから行事で牛肉を食べることを禁止されました。それによって、琉球王朝の農耕に役立つ牛肉が食べられなくなりました。更に中国の使節団が滞在中の食料にはたくさんの豚肉が必要だったのです。これらを境にだんだんと豚肉がメインの料理へと変わったのです。沖縄で豚肉が普及したのは、自然とそうなったわけではなく、改革の過程で豚肉が必然的に増えたということです。
第二次世界大戦や日本へ返還された事実は知っている!という方がほとんどですが、なぜ沖縄で豚肉料理が広まったかということまで話が出来る方はそう多くはないでしょう。友人に話をしてみると、「へぇ~詳しいね」と言われて鼻高々になること間違いないです。
沖縄ではメイン食材として豚肉が使われていて、豚肉料理が多いですが、その中で「あぐー」という名前を聞いたことはありませんか。最近では、あぐー豚という豚肉のブランドが全国でも有名になりましたね。全国チェーンや地方スーパーでも高級豚肉として販売されていることも多くなったあぐー豚ですが、意味を知っていますか。「あぐー」だけではなく、「アグー」と表記している豚肉もあって一緒だと思っている方も多いのではないでしょうか。実は違うんです。次は「あぐー」と「アグー」の違いについてお教えします。
アグー豚とあぐー豚の違い
琉球在来豚である「アグー」の原種は沖縄で育った豚です。アグー豚は戦前までは一般的に食べられてきましたが、戦後に激減しました。絶滅寸前だったところを「アグー」を愛する方々の努力によってよみがえりました。その中で生まれたのが在来豚「アグー」と白豚をかけあわせて生まれたのがあぐー豚です。つまり、アグー豚は純血の豚肉であぐー豚は交雑種です。じゃあ、琉球在来豚であるアグー豚はどれぐらいいるの?と疑問を持つ方もいると思うので、説明します。アグーと呼ばれる在来豚は沖縄に現在600頭でそのうち、純粋種は約200頭です。あぐー豚は年間1万2000頭も出荷されているということを聞くと、アグー豚は幻の豚といっても過言ではありません。沖縄に行ったら是非、本場の味!アグー豚を食べてみて下さい。本土では、なかなか食べることが出来ないので、自慢できるかもしれませんよ。
沖縄の歴史やアグー豚について少し理解したところで、沖縄料理といえばこれ!という定番メニューを一挙にご紹介します。
沖縄そば
沖縄グルメといえば、沖縄そばです。思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。「沖縄そばという料理名は知っているけど、どんな料理とか由来を知らない」という方もこの機会に知りましょう。
沖縄そばってなに?
沖縄県内では、「すば」「うちなーすば」とも呼ばれ、麺は小麦粉100%で作られていて、和風だしを使っています。発祥は14世紀の後半に明から伝わったという説や15世紀に中国から訪れた使節によって伝えられた等、諸説は様々ありますが、中国の中華麺が起源となっているといわれています。昔はとても高級料理のひとつとして宮廷料理として食べられていたと伝えられています。現在では、庶民にも普及しているので、気軽に食べることが出来るグルメです。
ソーキそばと沖縄そばの違い
沖縄そばはてびちそばや八重山そばなどのそばの総称ででソーキそばは、1970年代から広まったので、沖縄そばより歴史が浅いといわれています。ソーキそばは沖縄産の黒糖や泡盛、醤油などを使って甘辛く炊いた豚のスペアリブをトッピングされている料理で、沖縄そばの一つだといわれています。ソーキは柔らかくなるまでじっくり時間をかけているので、軟骨部分までおいしく食べることが出来ます。その一方で沖縄そばは、きしめんのような麺で豚骨でダシをとったスープに醤油を加えた後、豚の三枚肉、かまぼこ、紅ショウガやネギなどをトッピングされた料理です。
沖縄そばには他にもいろいろなそばがあるって知っていましたか?この機会に学びましょう。
宮古そば
沖縄県の宮古島でよく食べられているのが、宮古そばです。他のそばと比べると、少し細めでストレートの平麺であることが特徴です。具材や盛り付け方も独特で、昔は贅沢なものは隠すという言い伝えもあったので、具材を麺の下に隠していたともいわれています。
八重山そば
細めのストレート麺が特徴的で石垣島や八重山諸島でよく食べられている沖縄そばです。トッピングは細切りにした豚肉とカマボコを使っていて、スープも少し甘めに味付けされています。
大東そば
南大東島から広まり、麺が太く、ストレート麺ではなく、縮れて独特のコシがあるのが大東そばといわれています。
沖縄の歴史で触れましたが、沖縄は様々な国の文化が息づいています。そんな中、アメリカの文化が沖縄料理に残っています。それは、ステーキ文化です。飲みに行くとお酒を飲んだり食べ物を食べたりといっぱい食べたのになぜか帰る頃には「お腹が空いたな~」何か〆で食べに行こう!と最後の1軒で立ち寄ったりしますよね。あなたならどんな〆を選びますか。〆の定番メニューといえば、ラーメンやうどんでしょうか。ツルっとした喉越しの良いものを食べたくなりますよね。沖縄は違うんです。「〆ステーキ」という名前があるぐらい沖縄では、〆にステーキを食べに行くそうです。信じられますか。お腹がいっぱいなのにその上にがっつりとしたメインディッシュのフードが登場するなんて。アメリカ文化の影響を受けた沖縄では、〆にステーキを食べます。
なぜ沖縄では〆ステーキ?
戦後、アメリカの統治下だった沖縄では、米国人がたくさん住んでいました。そこで、牛肉をこよなく愛する米国人のお腹を満たすためにステーキ店が数多く出店しました。ボリューム感があってさっぱりとした赤身肉をメインメニューとして提供するのが沖縄スタイルです。ステーキ屋さんといえば、ランチや夕食時にお客さんでいっぱいになるイメージがありませんか。沖縄では違うんです。遅い時間、深夜に人が集まり、〆ステーキを食べる習慣があります。驚きですよね。沖縄のニーズに合わせるために深夜まで営業しているお店が多く、飲んだ帰りに〆としてステーキを食べる人や深夜に仕事を終えたタクシーの運転手さんが遅い夕ご飯としてステーキを食べることもあるそうです。